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2023年3月10日
歳をとったというのもあるが、若者に限らず最近の言葉使いに失望することも多い。自分も決して正しい言葉使いが出来ているわけでもないが、若い時から心掛けているのは略語を使わないということ、語尾を上げないということ、「えー」とか「あー」などの無意味な言葉を「フィラー(Filler)」というが、それらを出来るだけ使わないということだ。
略語は仲間内で仲間意識を高めるために使うならいいが、対外的に使っている人を見ると、「この人と一緒に仕事は出来ないな」と思ってしまう。最近の何でも言葉を縮めてしまう傾向には、「元の意味わかって略してるのか?」と思う。みんな、「相当に忙しいのか?」とも思う。本当に伝えるべきことを伝えたいなら、略語は最小限にするべきだと思う。
疑問形でもないのに語尾を上げる人は、自分の意見に責任が持てないか、甘えが出ている証拠だろう。語尾を上げることで間違っていた時のために逃げ道を作っているのだ。ごくまれにではあるが、電話口の相手にこちらの要件を伝えている時に、聞いている側なのに語尾を上げる人がいる。「はい!」でいいのに「はい⤴」とか「じゃないですかあ⤴」と語尾をイチイチ上げるのだ。また、こっちに指示しているのに、「~と思います」という曖昧さにも呆れる。まあ一番悪いのはそれにキレて「『はい⤴』じゃねーよ、お前の推測を聞いてるんじゃない!」と言ってしまうワタクシであるが。
「えっとー」はあり得ないが、「えー」とか「あー」は回数によっては許容されるが、毎回語頭に「えー」とか入れられると、そればかりが気になって聞く気持ちが失われる。気が付くとその回数を数えて正の字をいくつも書いている自分がいる。
要件があって電話をして来ているのに、相手を待たせて関係資料を探していることも許しがたい。掛ける前に相手との会話を想定して準備しておけよ、と思う。
愚痴ばかりになってしまったが、「美しい言葉」とは「癖のない言葉使い」だと思う。ビジネスの中で「癖の強い話し方」の人間に出会う事は多くないが、自分が当たり前と思って使っていた言葉が、正しい言葉使いではなかったと反省することは多い。一日の終わりに振り返ってみて、反省することは大切だと思う。
ここ3年くらい、NHKの「朝ドラ」を欠かさず見ているのだが、ハチャメチャな前回作(沖縄が舞台)に比較して、佳境を迎えている「舞いあがれ」は大阪弁のとても美しい言葉を使っている。メインの脚本家が歌人だからか、言葉の選び方をとても大事にしているんだと思う。何でもセリフで状況を解説するのではなく、行間を大切にしているのか、見ていても聞いていても心地いい。間違った言葉を使うと多くの批判にさらされるNHKである。我々の言葉使いにも参考になるはずだ。
バラエティやYouTubeのハチャメチャな言葉で時代を感じるのではなく、その土地土地の言葉も次世代に繋いでいくものだ。大切にしたい。