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慣れと経験

2023年4月25日

毎日同じ業務を重ねていけば、誰でもある程度量をこなせるようになり、初めて取り組んだ時より早くもなっているだろう。いわゆるルーティンワークというものだが、この繰り返しでは経験値は高まらない。慣れただけ、だ。

問題はルーティンワークを外れた業務、例えばイレギュラー対応や新規プロジェクトに参画する場合だ。速やかに対応出来るかどうかは、経験値がモノを言う。


経験値は日々の業務をこなしているだけでは高まらない。日々の業務に派生するトラブルにどう対応して来たかが重要である。どう対応して来たかとは、失敗や出来なかったことを後で見直して復習して、それに関する学習を積み重ねていくことだ。何となく周りの人に聞いて、周りのサポートで出来たこと、はそれに当てはまらない。

 

長く会社員を見ていると、イレギュラーを好む人と、避けたがる人に大別される。イレギュラーを好む人は逆にルーティンワークが苦手だったりするのだが、好奇心が旺盛で、学習欲が強く、向上心が高い人に多い。所謂「出世するタイプ」だ。(個人の見解です)

一方、イレギュラーを苦手とする人は、変化を嫌い毎日恙なく業務をこなしていれば満足な人ではないだろうか。すなわち「出世しない(したくない)タイプ」だ。(個人の見解です)


出世するしないは、その人の生き方の問題なので、善悪の問題もないが、後者のタイプは担当業務を属人化して、自分の仕事を囲ってしまうタイプが多いように思う。イレギュラーが発生すると、さっさと同僚や上司に丸投げしてしまったりする。大した業務量でもないのに、いつも忙しそうに見える人だ。向上心がないので、イレギュラーやトラブルも大嫌いだ。新しいプロジェクトの編成には「今の仕事が忙しいから」と逃げ回り、知らない人からの電話には警戒を隠さず、トラブルが発生するとパニックに陥ってしまう。業務に「慣れ」ていただけで、経験値が高くないので融通が利かないわけだ。

 

経験値とは「レギュラー業務」を重ねて高まるものではない。数々のトラブルやイレギュラーな対応に真摯に取り組み、後でそれが最善だったか他に方法がなかったか振り返り、その過程を楽しむ人だ。その都度経験値が高まり、常に新しいステージが用意されている。慣れは驕りを生み、初心を忘れた頃に重大なミスを犯す。どちらを高めていくべきかは自明の理だろう。

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