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2024年4月22日
全国的に赤字線や廃線が進む中、沖縄だけは鉄軌道や路面電車の計画が浮かび上がっている。戦前は軽便や沖縄電気軌道と言われるものが那覇を中心に展開していたが、バスや自家用車の普及で経営は火の車だったという。戦争で破壊されたのが廃線の理由のように思われているが、実際は戦前から厳しい経営状態だったのだ。今では完全な車社会の沖縄では全国有数の交通渋滞が常に問題となっている。坂が多く天候が不安定な沖縄ではモノレールの駅まで歩くのも大変だし、限られた区間内で用事が済ませられるわけもない。天気の影響を受けない車は便利だし、家族で1台で動けるメリットは計り知れない。
しかし高齢化社会が進む中で、老齢者による自動車事故が深刻化しているし、免許証の返納も勧められている中で、代替交通は必要だとは思う。特に沖縄だけでなく地方は車社会の影響で、商業地も郊外に広がり、駅周辺が寂れていくドーナッツ現象が問題となっている。LRTが導入されて久しい宇都宮ではまずまずの利用率で成功事例として他の首長が注目するのもわかる。しかし宇都宮と那覇では状況が違う。宇都宮は郊外に工業団地が拡がり、そこに至るまでの渋滞も深刻で一定の需要があった。さらに宇都宮に限らず、路面電車と車が共存している街、例えば広島市や高知市や富山市などに行けば分かるが、どこも路面電車と車が並走するに十分な道幅が確保されている。
那覇はどうだろうか。歩道も十分に確保できないほど道幅は狭く、交通渋滞は激しい。こんな状態でLRTをどうやって導入するのだろうか。宇都宮のようにパークアンドライドのための駐車場も必要だ。バスとの接続も不可欠だ。例によって作るのが目的になっていないだろうか。余計に交通渋滞が酷くならないよう、十分な調査と対策を講じ、現実的な費用対効果を測った上で進めて欲しい。