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2024年10月14日
最近めっきり釣りに行くこともなくなった。時間的な問題もあるが、一番の理由は「釣れなくなった」からだ。10数年前は那覇港でもそこそこ釣れたし魚種も多かった。那覇市の中心地から近い三重城でも、太刀魚やカマス、ガーラやミーバイ、アオリイカやイラブチャー、時にはカツオが上がることもあった。それが那覇空港の第2滑走路の工事が始まったころ魚種がめっきり減り、追い打ちを掛けるように釣りを禁止する漁港が増えた。そこには釣り人のマナーの問題があるのだが、確かに自分のゴミすら始末できないいいオトナが多かったし、釣った雑魚をそのまま放置する輩も少なくなかった。このような釣りをする資格すらない一部の釣り人のために、海に囲まれていながら釣りができるポイントはどんどん少なくなっていたのだ。
リーフに囲まれた沖縄本島では、意外に釣りができるポイントは少ない。漁港を除けばリーフでの立ちこみでルアーを泳がすか、沖釣り(船釣り)、渡し船での沖堤防、北部の地磯くらいしかない。このうち北部の地磯はこれまたポイントが限られ、車を止めて1時間ほど藪を漕ぎ分け歩くようなポイントでも先客がいれば入れないし、断崖絶壁に張り付いて命がけで竿を出すか、という感じだ。
その中でも「沖堤防」である「那覇一文字」なら、渡船に乗り20分ほどで人口密度の低い釣り座が確保出来るのだ。しかしここも「第2滑走路」が出来てから魚種は激減したが、それでも思いがけない大物と出会えたりするので、自分も「ホーム」といってもいいくらい好きなポイントだった。時にはオーバーナイトで打ち込みもするし、午前中だけルアーを投げることもあったし、日の出前から夕方までフカセのウキを見続けることもあった。
その那覇一文字が10月1日からなんと「立入禁止」となった。当然渡し船も厳しく取り締まられことになる。理由は「北海道・知床沖の観光船沈没事故」を受け、遊漁船法が改正されたためだ。政治家自身に関係のない法改正はやたら早いのがこの国だ。この改正法では、遊漁船事業者が都道府県に提出する「業務規定」に、乗客を渡す先が立ち入り禁止地点でないことを事業登録の条件に加えているのだが、もともと那覇一文字は立入禁止区域に該当しており、暗黙の了解で渡し船が営業していた。立ち入り禁止の沖堤防に釣り客を運ぶには、管理者の同意を得る必要があるのだが、今後は当然同意を得られないので、今後は一文字に渡る手段もなく事実上の釣り禁止というわけだ。
前述の通り沖縄は海に面しているのに釣りポイントがかなり少ない。観光立県を目指すのであれば、行政は禁止ばかりするのではなく、安全に釣りができる「海釣り桟橋」を設けるべきだ。もちろん有料でいい。どうせ「安全確保が難しい」とか何とか理由をつけて動かないのだ。「安全確保」のためには何をどうすればいいのかなんて簡単に分かるはずだ。東京、横浜、大阪、神戸にもあるくらいだ。外国人のために立派なクルーズターミナルを作れるのだから、少なくない県内外の釣り人のために海釣り桟橋を作れないはずがないのだ。MICEもいいが視察ばかりしていないで、とっとと実行に移して欲しい。
同時に釣り人のマナーの向上も不可欠だ。ゴミの放置など問題外。外道や雑魚の放置は見つけ次第、「不法投棄」として逮捕するなどの措置も必要だろう。