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輸出ビジネスについて Part 3

更新日:2022年6月13日

輸出する物品と相手国が決まったら、次の輸出ビジネス上の障害を洗い出します。(日本の)輸出他法令及び輸出貿易管理令/輸入国側の関税/輸入国側の法規制/輸入国の商習慣などです。これらはJETRO(日本貿易振興機構)を利用して調べることができます。幸い弊社と同じ建物の中にJETRO沖縄があります。


貿易上リスクが高いのは代金決済です。輸出の場合、貨物を送ったのに代金をもらえない、輸入の場合は代金を支払ったのに荷物が届かない、など心配ですよね。貿易取引は貨物と代金の決済に時差があるため、どうしてもリスクが生じます。それを解決するのがL/Cです。


L/Cとは、Letter of Creditの略です。日本では、エルシーや信用状と言います。L/Cとは銀行が発行する信用状です。銀行が輸出者と輸入車の間に入り、貿易代金の仲介をします。常にお金と書類がセットになり、銀行を通して行われるため、輸出者と輸入者だけの二者間取引よりも大幅にリスクを小さくできます。


L/Cのメリットですが、銀行が入ることによって決済の安全性が高まります。仮に輸入者側がつぶれても、輸出者に対して銀行が保証します。通常、輸入者側がL/Cを開設しますが、銀行にもリスクがありますから、輸入者に対する銀行の信用がなければ開設できません。また輸入者の資金力も影響します。


L/Cにはデメリットもあります。銀行が間に入ることによって手数料が掛かりますし、貿易書類が銀行経由で回ってくるため、貨物の引き取りに時間を要します。またL/C開設にはそれなりの知識を持った人材も必要です。L/Cや契約書の記載事項とディスクレにならないための貿易書類の作成スキルも必要です。


最近では、L/Cだけでなく、エスクローも普及しています。エスクロー(ESCROW)は元来、信託銀行などが不動産売買保全のために確立したサービスですが、最近ではアリババやアリエクスプレスなどECが、そのサービスを貿易取引にも展開しています。メルカリやヤフオクなどが行っている三者間決済もエスクローですね。もちろん貿易の基本中の基本、L/C決済が一般的です。


長年の取引で信用のある相手や、グループ内企業間の決済には、手数料が低いT/T決済が利用されます。いわゆる銀行送金ですね。しかし、船積書類と送金が連動しないため、「代金を支払ったのに商品が届かない」や「商品を送ったのに、代金が支払われない」可能性があるため、初めての相手には利用されません。


次回は、決済方法が決定し、契約締結後の実際の輸出についてお話ししますね。



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