インボイスやP/Lなど輸出書類の作成が終わったら、いよいよ通関依頼です。通常、船積や通関依頼をするときは、次の項目を盛り込んだ「Shipping Instruction」を作成します。
輸出者名/荷受人/輸入者/SeaかAirか/Inco-terms/荷受、船積み地および仕向け港/ケースマーク、荷姿や個数、重量など/商品名。
Inco-TermsがFOBやFCAの場合、輸入者が輸送手段や混載業者を指示することが多いです。何故なら運賃は輸入者側の負担になるので選択する権利があるからです。その場合、日本側(沖縄側)での代理店や担当者名を明確にしてもらってください。特に沖縄では指示してくる混載業者の代理店がない場合があります。
このようなコミュニケーションは言語の問題だけでなく、専門的な用語が必要となります。ロジスティーダではこのようなコミュニケーションもお引き受けいたします。もちろんあなたの商品をご指定の場所から引き取り、那覇港や那覇空港までの運送も手配させていただきます。ご安心ください。
ある程度取引先が決まれば、実態調査も兼ねて現地に行ってみることもお勧めします。出張旅費を賄う方法として「小規模事業者持続化給付金(一般型)」を利用する方法があります。色々条件と面倒な手続きがあり、採択されるかどうかは計画次第ですが、販路拡大のためであれば旅費も対象になっています。
貿易相手が定まっていない場合、沖縄大交易会に参加する方法があります。2020年度はオンラインによる商談会が開催されています。
次に、先ほど触れたFOBについて詳しく説明します。恐らくインコタームズで1番有名な条件ですが、現在ではあまり現実的ではないと思っています。コンテナやガントリークレーンがない時代、回漕店が荷役を使い、船への積み込みを行っていた訳ですが、その時代ならFree on Board=甲板上渡し=本船渡しは理にかなっていました。
不思議なのは航空貨物でも普通にこの条件が使われるんです。船でも航空機でも積み込みはその現地の代理店が行うわけで、実際は買い手=輸入者が指定する船社や航空会社のCYやCFS、保税上屋に搬入するところで輸出者の手は離れるのでFCA (Free Carrier)であるべきなのですが、このFCAが全然普及しない。
FOBとFCAの関係に限ったことではないのですが、貿易は相手がある事なので、その情報力や慣習に左右されることが大きいのです。税関が「Customs」だけあって、貿易は古い慣習が重視される世界です。一生懸命インコタームズを覚えても、相手が知らないと成立しないのです。
あと気をつけたいのは保険です。
FOBとFCAの間には積み込みという空白があります。担保する時に取引条件と同調していればいいのですが、包括保険などはインコタームズが変わってもカバーされるか確認しておくことが必要です。
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