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hiroyukikira

関税について Part 1

更新日:2021年3月25日

今回は関税についてご説明したいと思います。

関税とは簡単に言えば、輸入品にかかる税金です。日本では国家歳入の1%、国税収入の2%ほどで大きな割合ではありません。先進国ほどこの割合は小さくなり、逆に発展途上国は高い傾向にあります。


関税の主目的は「国内産業の保護」にあります。ようは自国の産業を脅かすモノには高い関税を課すのです。

では、日本の産業を脅かすモノとは何でしょうか。外国製品に対して競争力がないモノとも言えます。競争力がないとは、品質的に劣るモノ、価格が高いモノなど様々ですが、日本のモノは総じて品質が高いはずです。


価格はどうでしょうか。外国製品に比較して価格が高いモノとは何でしょうか。農畜産物ではないでしょうか。日本の食品は海外と比較して高いですよね。コメの税率はキロ当たり778%(341円/kg)、牛肉は38.5%の関税を払わなければ輸入できません。これでは海外から安いコメや牛肉を仕入れてきても、国産と大して変わらない価格になってしまいます。


これこそが関税の目的なんです。安い外国製のモノに高い関税をかけることによって、国産品との価格差を縮小する。そうすれば多くの人は安全で美味しい国産を手にすることになります。ところが関税がなかったらどうでしょうか。USビーフやオージービーフなどとても安価になってしまいます。そうなると一部の富裕層しか国産牛肉や国産米を食べなくなりますよね。最近ではカリフォルニア米も国産米と間違えるほど美味しくなっていると聞きます。消費者にとっては嬉しい話ですが、生産者にとっては大変です。そうして廃業してしまったら、どうなるでしょう。


例えばコロナで世界との物流が途絶えた場合、国内調達できなくなります。当然失業者も増えますよね。中国産のマスクの価格が高騰したように、輸入に頼るようになった農畜産物の価格も跳ね上がり、国家の存亡に関わる問題になります。そういう危機に備えるために、守らなければならない産業があるのです。


ちなみに大手外食チェーンの牛丼も、米国産のビーフやコメをブレンドしており、価格の約4割以上が関税になります。関税は間接税なので、知らない間に結構皆さんも関税を払っていることになりますね。



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