まだ沖縄に定住する前、初めての沖縄旅行は石垣島白保の民宿をベースに2週間ほど滞在した時だった。
離島ターミナルから西表島や波照間島など石垣からの日帰り旅行で八重山の美しい島々を渡り歩いたのだが、その中でも今でも鮮烈な記憶として残っているのが竹富島でのある出来事だった。
レンタサイクルを借りて島を縦横無尽に走り回り、コンドイビーチで海と戯れ、炎天下の中思い切り遊びまわってレンタサイクルを返却した時のことだ。
返却場にはおばーが1人で店番をしていて、特に手続きもなく「その辺に置いておいて」と言いつつも、「ここで休んでいきな」と屋外にあるベンチを示して冷たいお茶と黒砂糖を出してくれた。
上半身裸で火照ったカラダに信じられないくらいさんぴん茶が染み渡った。そこで小さく砕かれた黒砂糖をお茶請けに頂き、そしてヤカンの冷えたさんぴん茶をさらに飲む。また黒砂糖を食べて、さんぴん茶を飲む。
感動的に美味しかった。
仕事が終わった後のビールに唐揚げなんて比じゃないくらい美味しかった。
石垣から横浜に帰るときに黒砂糖をしこたま買い、中華街で買ったジャスミン茶とともに自宅で飲んでみたがちっとも美味しくない。というより味が全く違う。
やっぱりさんぴん茶と黒砂糖は沖縄の炎天下の下、海沿いの木陰で頂くに限る。
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