Logistics = ロジスティクス。
この言葉を最初に日本に持ち込んだのは、今から遡ること35年ほど前、某米国系クーリエサービス(今はドイツ系)のTVCMだったと記憶しています。
「Logisticsする」という当時の日本人に耳慣れない言葉でしたが、弱小オーストラリア系のクーリエサービス会社(今はオランダ系)にいた私は、いよいよ物流業界にもグローバル化の波が来ると、その謳い文句に衝撃を受けました。
そもそもLogisticsとは何でしょうか。今でこそ戦略的な物流と解釈されていますが、当時は何度辞書を引いても「兵站学」以上でも以下でもない記述しか見られず、感覚的に「能動的な物流」だろうな、とは思っていましたが、論理的に説明することは出来ませんでした。
その後10年ほどの間に物流部がロジスティクス部に、物流会社がロジスティクスカンパニーに名を変え、受動的だった業界がIT化と同時に一気に戦略的かつ最適化された一元的なサービスを提供する業界に変革しました。さらにSCMやDXなど真新しい言葉が生まれては、新しい物流の世界が拡がってきました。
その変革の中でも私はコツコツと棚卸をしたり、電話で貨物の状況を確認したり、受払いを人差し指でカチカチ入力する毎日で、おおよそ戦略的とは程遠い地味でマニュアルな作業に没頭していたのですが、どんなに表現が変わっても、IT化やAI化が進んでも、その根幹にあるのは地味でマニュアルな作業であることは変わらない気がします。
GPSで貨物の位置情報が瞬時に把握できたり、ドローンが貨物を運んでも、それを生み出し操作するのは所詮我々人間。それもロジスティクスという言葉ではなく、「物流」の一端を担っている一人一人の誇りと意地で支えられていると思っています。
我々ロジスティーダは時代の変化に流されることなく、自分たちの信じた本流を地道に漕いでいきます。
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