相変わらず世界的なコンテナ船のスペース不足が慢性化しているが、アジア航路も例に漏れない。夏よりは短くなっているが、中国、韓国の主要港では2~3日の沖待ちが続いている上、コンテナの回転率悪化、航行スケジュール遅延によるスペース不足が悪影響に拍車を掛けている。
東南アジア航路でも、貨物量の増加にスペース供給が追い付かず、一部の航路では既に年内のブッキングで満船になっているようだ。この状況は来年の旧正月まで続くという見方がある一方、夏まで続くという悲観的な見方も多い。
釜山港ではトランシップするコンテナ船の入港が遅れ、貨物が滞留。接続船に積むまでに1カ月待つ場合もあるらしい。
中国各港でも例年物量が落ち着く国慶節以降も混雑は続いており、コロナによるロックダウンに端を発した上海港の混雑も相変わらずで、未だに2~3日の沖待ちが続いている。同様にロックダウンでCYを一時閉鎖した寧波や深圳でも混雑が依然として解消されていない状況だ。
今夏コロナの急拡大で輸送需要が一時低下した東南アジア航路では、今秋から物量が著しく増加傾向にあり、限られたスペースを取り合う状況だ。
日本発着のコンテナ船は、船社の改編、寄港絞り込みなどがあり、ベトナム向けを中心に全体のスペース供給量が減少している。
また、メガキャリアーが引き続き運賃水準の高い長航路に意図的にスペースを集中させていることもあり、ASEAN航路全体の供給量も不足している。
中国の電力不足が状況を好転させるかと期待したものの、特に大きな変化は見られない。
海上輸送に関しては荷主からすると相変わらず厳しい状況が続くようだ。
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