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海上輸送サーチャージについて (LSS・CIC編)

LSS

貿易担当者であれば、2年前から加算されているこのサーチャージに悩まされていることだろう。

2020年1月1日、国際海事機関(the International Maritime Organization) のMARPOL条約に基づき、船舶の硫黄酸化物(SOx)の排出量規制が施行されている。

本規制により船舶燃料油の硫黄含有率の上限が3.50%から0.50%へ引き下げられ、船舶燃料油の品質向上化を求められるために、その費用を荷主が負担している。


多くの船社は2019年11月から新基準に適合した前述の低硫黄燃料へ切り替えているため、同じタイミングでLSS (Low Sulphur Fuel Surcharge)を導入している。

硫黄酸化物の排出量を抑制する排気ガス洗浄装置(スクラバー)を導入していれば従来の重油が使用できるが、その数億円と言われる導入コストを補填するために追加料金が必要となる。LSSは船社と航路によってまちまちだが、日本・中国航路で20f FCLで100usd前後で、さらに増加傾向にある。



CIC (Container Imbalance Charge)

主に日中航路に適用されるこの料金も、輸入業者の大きな負担となっている。文字通り、輸出と輸入のバランスが偏っているための調整料金で、日本から中国に対する輸出が減っている一方、中国からの輸入が増えているので、コンテナの需要と供給が日中間でアンバランスな状態が続いている。それだけが原因ではないのだが、中国は相変わらずの異常なコンテナ不足でそれを日本の荷主に請求しているということだ。当然、日本から中国へ輸出時は加算されない。船社によって異なるが、昨年の夏に値上げされて以来、20fで20,000円、40fで40,000円が平均のようだ。



サーチャージにはこの他CAFやBAF、昨年から東京・大阪揚げにも値上げが見られるPCSなど、海上運賃の高騰に拍車を掛けている。

世界的にインフレ傾向にある理由の一つが海上運賃の高止まりであり、今年も少なくとも上半期はこの状態が続きそうだ。



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